突然、大切な友人や知人のSNSアカウントにアクセスできなくなった。メッセージが届かない。投稿が見られない。「もしかして、ブロックされた?でも、どうして?」
SNS(LINE、Instagram、Twitter/X、Facebookなど)でブロックされた経験は、想像以上に心に傷を残すことがあります。
特に理由がわからないまま関係が断たれると、不安や自責の念にさいなまれることも少なくありません。
この記事では心理カウンセラーとしての知見のもと、SNSでブロックされた時に感じる感情、ブロックする理由、心を守りながら前に進むための具体的な方法をお伝えします。
ブロックされた時に湧き上がる5つの感情
ブロックされたことに気づいた瞬間、多くの方は次のような感情を経験します。
驚きと混乱
「昨日まで普通に話していたのに」「何も問題はなかったはずなのに」と、突然の出来事に頭が混乱することがあります。
悲しみと喪失感
その人とのつながりが突然失われることで、深い悲しみを感じることがあります。特に親しかった相手であればあるほど、この感情は強くなります。
怒りと不公平感
「説明もなくブロックするなんて、ひどい」「話し合う機会すら与えられなかった」という怒りや不公平感を抱くことも自然な反応です。
自責の念と後悔
「あの時の発言が原因だったのかな」「もっと気をつけるべきだった」と、自分を責めてしまうことも少なくありません。
不安と恐れ
「他の友人にも悪く言われているのでは」「次は誰にブロックされるのだろう」という不安が広がることもあります。
これらの感情をすべて感じる必要はありませんし、感じる順番も人それぞれです。大切なのは、これらの感情が自然な反応であり、時間とともに和らいでいくということを知っておくことです。
なぜ人はブロックするのか?考えられる7つの理由
ブロックの理由がわからないと、どうしても「自分に非があったのでは」と考えがち。
しかし、ブロックには様々な理由があり、必ずしもあなたが悪いわけではありません。
相手の心理状態の変化
相手がストレスを感じていたり、精神的に不安定な時期だったりすると、刺激を減らすために一時的にSNSでの交流を制限することがあります。
誤操作や勘違い
意図せずブロックボタンを押してしまったり、あなたをブロックしたつもりがなかったりする可能性もあります。
SNS疲れ
相手がSNS疲れによってSNS全体から距離を置きたいと思った結果、多くの人をブロックしている可能性があります。
価値観や意見の相違
政治や社会問題などについての投稿で意見が合わなかったことをきっかけに、距離を置きたいと思うケースもあります。
人間関係の整理
相手が人間関係を見直している時期に、オンライン上のつながりを減らそうとしている可能性があります。
別のアカウントへの移行
新しいアカウントを作り、一部の人だけを新アカウントに招待するために、古いアカウントでブロックすることもあります。
第三者の影響
あなたとは直接関係のない第三者からの影響で、ブロックした可能性もあります。
これらの理由は、あくまで可能性の一つです。実際の理由は相手にしかわかりません。しかし、自分を責め続けるよりも、様々な可能性を考えることで、心の負担を減らすことができます。
ブロックされた後にやるべきこと、避けるべきこと
ブロックされた後の行動が、その後の関係性に大きく影響します。感情的になりすぎず、冷静に対応することが大切です。
やるべきこと
自分の感情を認める
悲しい、怒っている、傷ついた、混乱している—これらの感情をまずは認めましょう。感情を押し殺すことはかえって回復を遅らせます。
少し時間を置く
感情が高ぶっているときは、すぐに行動を起こさないことが大切です。一晩寝て冷静になってから考えましょう。
別のコミュニケーション手段を考える
本当に大切な関係であれば、電話やメール、共通の友人を通じてなど、別の方法で連絡を取ることを検討しましょう。ただし、しつこく追いかけるのは避けるべきです。
自己ケアを優先する
好きな音楽を聴く、散歩に出かける、友人と話すなど、自分を癒す時間を作りましょう。
他の関係性を大切にする
一つの関係に固執するよりも、あなたを大切にしてくれる他の人々との関係を育むことに目を向けましょう。
避けるべきこと
複数のアカウントから連絡する
これは相手にプレッシャーを与え、状況を悪化させる可能性があります。相手の境界線を尊重しましょう。
SNSで相手について投稿する
感情的な投稿や相手を批判する内容は、状況を複雑にするだけでなく、あなた自身の評判にも影響する可能性があります。
共通の友人に過度に詮索する
共通の友人を通じて理由を探るのは、その友人を不快な立場に追い込むことになります。
自分を責め続ける
「もっとこうすれば良かった」と自分を責めても、状況は変わりません。自分に優しく接することを心がけましょう。
すぐに仕返しする
「相手もブロックしてやる」という反応は自然ですが、感情的な行動は後から後悔することがあります。
心の傷を癒す5つの方法
ブロックされた経験は、意外と深い心の傷になることがあります。次のような方法で、少しずつ心を癒していきましょう。
感情を言葉や形にする
日記に書く、信頼できる人に話す、絵を描くなど、感じている感情を外に出すことで、心の整理がつきやすくなります。
自分の価値は他者の反応で決まらないと認識する
一人の人があなたをブロックしたからといって、あなたの価値が下がるわけではありません。自分の価値は他者の行動では決まらないことを思い出しましょう。
「知らないこと」と折り合いをつける
理由がわからないまま終わることもあります。「わからないことがある」という不確かさを受け入れることも、成長の一部です。
「今、ここ」に意識を向ける
過去の出来事を繰り返し考えるよりも、今この瞬間に意識を向けることで、徐々に心が落ち着いていきます。
専門家のサポートを検討する
ブロックされた経験が日常生活に支障をきたすほど心に影響している場合は、カウンセラーなどの専門家に相談することも選択肢の一つです。
SNSでの人間関係を健全に保つためのヒント
ブロックされた経験を今後の人間関係に活かすために、次のポイントを意識してみましょう。
オンラインとオフラインのバランスを取る
SNSでの交流だけに頼らず、直接会って話す機会も大切にしましょう。
期待値を適切に保つ
SNS上の「友達」がすべて深い関係であるとは限りません。様々な濃度の人間関係があることを認識しましょう。
自分の言動に意識を向ける
意図せず相手を傷つけることもあります。自分の言動が他者にどう受け取られるかを考える習慣をつけましょう。
定期的に関係性を見直す
SNSのつながりが自分にポジティブな影響を与えているか、時々振り返ることも大切です。
プライバシー設定を見直す
すべての投稿を全員に公開する必要はありません。
状況に応じて公開範囲を調整しましょう。
ブロックされた経験をプラスに変えるために
一見ネガティブに思えるブロックされた経験も、視点を変えることでプラスの要素を見出すことができます。
自己理解を深める機会
「なぜこんなに傷ついたのか」「何に反応したのか」を考えることで、自分自身についての理解が深まります。
人間関係の優先順位を見直す
「誰とつながっていたいのか」「どんな関係性を大切にしたいのか」を改めて考える良い機会になります。
コミュニケーションスキルの向上
円滑なコミュニケーションのために自分に何が必要かを見つめ直し、スキルアップにつなげることができます。
レジリエンス(回復力)の強化
困難な状況から立ち直る経験は、心の筋肉を鍛えるようなもの。次の困難に直面したときに活かせる強さになります。
さいごに
SNSでブロックされた経験は、多くの人が通る道です。理由がわからなくても、自分を責める必要はありません。今は傷ついていても、必ず癒える日が来ます。
大切なのは、この経験からどう学び、成長するかです。一時的な痛みを、長期的な強さや知恵に変えていけるよう、少しずつ前に進んでいきましょう。
そして何より覚えておいてほしいのは、あなたの価値はSNSでのつながりの数や質で決まるわけではないということ。あなたはあなたのままで、十分価値のある存在です。
ブロックされたことでドアが一つ閉まったように感じるかもしれませんが、それは新しいドアが開く前触れかもしれません。焦らず、自分自身を大切にしながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。