LINEやDMでのやりとりは、現代の人間関係において欠かせないコミュニケーションのひとつ。
そんな中で「未読スルーされた…」「やっと既読になったと思ったら今度は既読スルー…」と、返事が来ないことにモヤモヤした経験は多くの人にあるのではないでしょうか。
相手に悪気がないとわかっていても、つい気になってしまう。
「私、何かしちゃったかな?」と不安になったり、怒りが湧いたり。
この記事では、「未読スルーからの既読スルー」をしてしまう人の心理と、それを受け取った側の心の整え方について、心理カウンセラーの視点から解説します。
未読スルー→既読スルー、その流れに隠された心理とは?
そもそも“未読スルー”ってどういう状態?
未読スルーとは、メッセージを受け取っているのに、まだ開封されていない状態のこと。
一見、「無視されてる…?」と感じてしまうこともありますが、実はその背景にはさまざまな理由が隠れていることも。
例えば……
- 通知は見たけれど、すぐに読む余裕がない
- 開封したら「すぐ返さなきゃ」と思ってしまうから、あえて読まない
- 忙しくてスマホを見る余裕がない
- そもそもLINEに対して苦手意識がある
このように、未読スルーは「考えたくないことを後回しにしている状態」のサインである場合もあります。
既読スルーに切り替わったときの“心理的な変化”
未読だったメッセージを開いたということは、少なからず「読まなきゃ」と思う気持ちが湧いたということ。
しかし、そこから返事がこない――つまり既読スルーに変わったのは、どういう心の動きなのでしょうか?
考えられる心理状態は以下のようなものです:
- 返事を考えるのが面倒、または気が重い
- 今は返信するエネルギーが足りない
- 返信しなければと思いつつ、気づいたら時間が経ってしまった
- メッセージの内容にうまくリアクションできず、どう返せばいいか分からない
つまり、「無視してやろう」という悪意ではなく、「できれば向き合いたくない」「後回しにしたい」といった心のブレーキがかかっている場合がほとんどなのです。
未読・既読スルーをする人のタイプ別傾向
① 情報過多で疲れているタイプ
現代では、LINE、DM、メール、仕事の通知…と、常に大量の情報がスマホに届きます。
その中で「誰に返して誰に返してないか」が把握できなくなり、結果としてスルー状態になることも。
このタイプは決して冷たいわけではなく、単純に「頭も心も疲れていて、キャパオーバー」の状態。
返信がないのは、あなたが嫌いだからではない可能性が高いのです。
② コミュニケーションが重荷になっているタイプ
もともとLINEなどでのやり取りが苦手な人もいます。
「既読をつけたら早く返さなきゃ」と感じてプレッシャーに感じることも。
このタイプは、「返すのが遅れたら申し訳ない」と思い、余計に返せなくなってしまうという“罪悪感のループ”に陥っていることもあります。
③ 関係性に温度差を感じているタイプ
場合によっては、「最近ちょっと距離を置きたい」と感じていたり、「返信を急ぐほどの関係性じゃない」と思われていることも。
ここに気づいてしまうと辛いですが、コミュニケーションの頻度や反応は人それぞれ。
自分の期待通りにならないからといって自己否定に走らないようにしたいですね。
どうしても気になってしまうあなたへ ― 心の守り方
① 「嫌われたかも」という不安は自然なもの
返信がこないと、「私、何か変なこと言ったかな?」と不安になりますよね。
でも、返事がない=嫌われた、とは限りません。
返信が遅れても、会えば普通に話せる、何事もなかったようにやり取りが再開する……そんな経験、ありませんか?
まずは「今、勝手に不安を膨らませているな」と自覚することが、気持ちのコントロールの第一歩です。
② 「返信は義務ではない」と自分に言い聞かせる
LINEは“手紙”ではなく“会話ツール”。
相手にもそのときの気分や都合があります。
自分がすぐに返信したくなるタイプだと、返事が遅いことに敏感になってしまいますが、それは相手が悪いわけでも、自分が悪いわけでもありません。
「それぞれのペースがある」と割り切る視点を持てると、少し気持ちが楽になります。
③ 相手の行動で自分の価値を測らない
既読スルーされると、自分が軽く扱われているような気持ちになることもあります。
でも、あなたの価値は、相手の返信スピードや反応では決まりません。
「私は私、あの人はあの人」と境界線を引くことで、心が振り回されにくくなります。
それでもモヤモヤが残るときの対処法
① 思い切って聞いてみるのもアリ
関係性がしっかりしている相手なら、「忙しいのかな?返信なかったから少し心配になったよ」とやさしく伝えてみるのもいいでしょう。
責めるような言い方ではなく、あなたの気持ちを率直に伝えることで、関係性がより安心できるものになるかもしれません。
ただし、しつこく返信を催促するのは関係悪化の原因にもなりかねません。相手の状況や気持ちを尊重することも忘れずに。
② あえて一度、連絡を止めてみる
あなたばかりが気にしてしまうと、関係が一方通行になりがち。
「ちょっと様子を見よう」と連絡を止めてみると、相手から自然に返ってくることもあります。
返事がこないことで“嫌われたかも”と思うより、“今は流れがそうなんだな”と受け止めてみましょう。
おわりに:大切なのは「自分を否定しないこと」
未読スルー→既読スルーという流れには、相手の事情や気持ちが複雑に絡んでいます。
それをすべて把握するのは難しいからこそ、自分の心を守ることが何よりも大切。
返信がなくて不安になるのは、あなたが人とのつながりを大切にしている証拠です。
でも、その優しさが自分を苦しめないように。まずは、あなた自身があなたを信じて、安心できる居場所を少しずつ広げていきましょう。