今の時代、スマホを持っていれば誰でも簡単にSNSを使えるようになりました。TwitterやInstagram、TikTokなど、たくさんの人とつながることができる場所です。
でも、そんなSNSには良い面だけでなく、つらい面もあります。特に「批判」や「否定的なコメント」は、心に大きな傷を残すことがあるのです。
この記事では、SNSでの批判がなぜ怖いのか、それがどうして心の傷(トラウマ)になることがあるのか、そして自分を守る方法について、わかりやすくお話ししていきます。
SNSでの批判はなぜ怖いのか
単純に傷つく
批判されて嬉しい人なんてほとんどいないと思います。たいていの人は心に傷がつくものですし、批判が多いほど心の傷も深くなっていきます。ときには粘着されたり、ひどい悪口を言われたりすることもあったりして、人によってはSNSが怖いと思っても当然です。
誰でも見ることができる
普通の生活の中で誰かに批判されたら、その場にいる数人だけが聞くことになります。でも、SNSでは投稿やコメントを何百人、何千人、時には何万人もの人が見ることがあります。自分の失敗や批判されていることを、大勢の人に見られるのは怖いものです。
残り続ける言葉
リアルな会話では、言葉は話した後に消えていきます。でも、SNSでの言葉は投稿として残り続けます。「消してしまえば終わり」と思うかもしれませんが、誰かがスクリーンショットを撮っていれば、もう自分ではコントロールできません。
顔が見えない相手
SNSでは相手の顔が見えないため、普段なら言わないような厳しい言葉を投げかけることがあります。これを「炎上」と呼ぶこともありますが、批判する側は「正義のため」と思っていても、受ける側には耐えがたい痛みになることがあるのです。
共感より批判が目立つ
SNSでは、良いコメントより批判的なコメントの方が注目されやすいという特徴があります。100件の良いコメントがあっても、1件の悪いコメントが心に残りやすいのです。これは私たち人間の脳が「危険」に敏感にできているからです。
SNSの批判がトラウマになるとき
トラウマとは何か
「トラウマ」とは、強いストレスを感じた経験によって心に残る傷のことです。日本語では「心的外傷」と言います。トラウマになると、似たような状況に出会ったときに強い不安や恐怖を感じたり、その場面を思い出して苦しくなったりします。
SNSの批判がトラウマになる理由
予想外の攻撃
自分が何気なく投稿したことが、突然多くの人から批判されると、心の準備ができていないため大きなショックを受けます。
理不尽さ
時には誤解や一部だけを切り取られて批判されることがあります。「自分はそんなつもりではなかった」のに責められる経験は、特に心に傷を残します。
継続的な批判
一度炎上すると、何日も何週間も批判が続くことがあります。長く続く批判は、心を疲れさせ、深い傷になりやすいです。
自己否定につながる
「自分はダメな人間だ」「生きている価値がない」など、自分自身を否定する考えにつながることがあります。
トラウマの症状
SNSでの批判によるトラウマは、次のような症状として現れることがあります:
- SNSを開くことへの強い恐怖
- 通知音を聞くだけで心臓がドキドキする
- 何も投稿できなくなる
- 夜、眠れなくなる
- 常に「また批判されるのでは」と不安になる
- 人と会うのが怖くなる
- 自分に自信が持てなくなる
自分を守るための方法
SNSを使いながら心を守るためには、いくつかの方法があります:
距離を取る勇気を持つ
批判が多くなったとき、すぐにSNSから離れる勇気を持ちましょう。「今は見ない」と決めて、アプリを一時的に削除するのも良い方法です。
全てに反応しなくていい
すべての批判に答える必要はありません。特に感情的になっているときは、返信を控えましょう。時間が経てば、冷静に考えられるようになります。
信頼できる人に相談する
一人で抱え込まず、家族や友人など信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。外からの視点があると、自分では気づかなかった考え方に気づくことがあります。
自分の気持ちを認める
「怖い」「悲しい」「傷ついた」という気持ちは当たり前です。自分の感情を否定せず、「今はつらい気持ちでいいんだ」と自分に優しく声をかけましょう。
プロの助けを借りる
つらい気持ちが長く続くなら、心理カウンセラーや医師など専門家に相談することも大切です。「弱い人がカウンセリングを受ける」のではなく、「自分を大切にする強い人が受ける」ものです。
SNSの使い方を見直す
- プライベートアカウントにする
- コメントをオフにする設定を活用する
- 投稿前に「もし批判されたらどう感じるか」を考える
- 特定のワードやアカウントをミュート・ブロックする
SNSとの付き合い方を考える
SNSは一部の意見にすぎない
SNSでの批判は、世の中の全ての人の意見ではありません。むしろ、批判的な意見ほど声が大きくなりがちです。「これは一部の人の意見だ」と考えることで、心の距離を保ちやすくなります。
自分のペースで使う
「毎日投稿しなければ」「すぐに返信しなければ」というプレッシャーから解放されましょう。自分のペースで、楽しめる範囲でSNSを使うことが大切です。
「いいね」だけでなく、実生活の充実を
SNSでの評価(いいねやフォロワー数)よりも、実際の生活での充実感や人間関係を大切にしましょう。SNSはあくまで生活の一部です。
周りにできること
もし友達や家族がSNSでつらい思いをしていたら:
- 否定せずに話を聞く
「気にしなくていい」と簡単に言わず、まずはその人の気持ちを受け止めましょう。 - 一緒に考える
「どうしたら良いと思う?」と一緒に考えることで、解決策が見つかることもあります。 - 専門家への相談を勧める
必要なら、カウンセラーや医師などの専門家に相談することを優しく勧めてみましょう。
まとめ
SNSは便利で楽しいツールですが、時に心に大きな傷を残すこともあります。批判を受けて怖くなったり、トラウマになったりするのは、あなたが弱いからではありません。むしろ、人として自然な反応です。
大切なのは、自分の心を守るための行動を取ること。SNSから距離を取る、信頼できる人に相談する、専門家の助けを借りるなど、自分に合った方法を見つけましょう。
そして最後に、あなたの価値はSNSでの評価で決まるものではありません。たとえSNSで批判されても、あなたには大切な人生があり、あなたを応援する人がいることを忘れないでください。
SNSとの健全な距離感を保ちながら、自分らしく生きていける社会になることを願っています。