SNSなどネットで悪口や誹謗中傷する人の心理とは

SNSが日常の一部になった今、誰でも気軽に意見を発信できるようになりました。

その一方で、悪口や誹謗中傷といった、他人を傷つける発言も後を絶ちません。

被害にあった側はもちろん深く傷つきますが、なぜ加害的な発言をする人がいるのでしょうか。

この記事では、心理カウンセラーの視点から、悪口や誹謗中傷をする人の心理を解き明かしながら、心を守る方法も一緒に考えていきます。

SNS時代を生き抜くために、知識と心の防御力を身につけましょう。

なぜ人はSNSで悪口を言うのか?

匿名性による心理的ハードルの低下

SNSでは匿名で投稿できることが多く、顔が見えない、責任を負わないという状況が、攻撃的な発言をしやすくさせます。

本来ならば言わないようなことも、「バレない」という安心感から、無意識にハードルが下がってしまうのです。

劣等感や嫉妬心の裏返し

他人に対して攻撃的になる背景には、本人自身が抱える劣等感や自己否定感が隠れていることが多いです。

相手をけなすことで一時的に自尊心を守ろうとしたり、「自分のほうが優れている」と錯覚することで心のバランスを取ろうとしています。

ストレスのはけ口にしている

現実の世界でストレスをうまく発散できず、SNSで他人に攻撃することで、感情を吐き出そうとするケースもあります。

本当は別の方法でケアするべきですが、それを知らずに間違った方向にエネルギーを向けてしまっているのです。

集団心理に巻き込まれる

誰かを叩く流れができると、「みんながやっているから」という理由で、個人の理性を失い加害行為に加わる人もいます。

これは「同調圧力」と呼ばれる現象で、普段ならしないようなことでも、集団の中にいるとハードルが下がってしまうのです。

悪口を言う人の深層心理にあるもの

自己肯定感の低さ

自分を肯定できない人は、他人を攻撃することで自分の位置を守ろうとします。

本来、自己肯定感が高い人は、わざわざ他人を下げる必要を感じません。

逆に自己肯定感が低い人ほど、外からの承認や「優越感」を求めてしまいやすいのです。

孤独感や不安感

強がって見える人でも、心の奥では孤独を感じていたり、不安に押しつぶされそうだったりします。

他人を攻撃することで、孤独や不安を一瞬だけ忘れようとする防衛反応の一つと言えるでしょう。

承認欲求の暴走

SNSでは「いいね」やフォロワー数が、目に見える評価となりやすいです。

承認欲求が強すぎると、注目を集めるために過激な発言をしてしまったり、

他人を貶めることで自分を目立たせようとする行動に出ることがあります。

被害にあったときの心の守り方

相手の言葉を真に受けない

誹謗中傷は、その人の内側にある問題の表れです。

あなた自身の価値を否定するものではありません。

攻撃的な言葉に振り回されず、「この人は心に問題を抱えているんだな」と客観的に受け止める練習をしていきましょう。

自分の価値を自分で決める

SNSの反応や他人の言葉に、自分の価値を委ねてしまうと心はどんどん不安定に。

あなたの価値は、誰かの「いいね」や評価とは無関係です。

「自分で自分を認める」という感覚を育てることが、とても大切です。

心のサポートを求める

一人で抱え込まず信頼できる人に相談したり、必要なら専門家に助けを求めましょう。

誰かに話すだけでも、気持ちは少し軽くなります。

心理カウンセラーは、心の傷を癒しながら、自分自身を取り戻すお手伝いができます。

SNSでの心の距離感を整えるために

ブロックやミュート機能を活用する

悪意あるアカウントや投稿は、無理に目にする必要はありません。

適切にブロックやミュートを活用し、自分の心を守る環境を作りましょう。

「耐えること」が強さではなく、「守ること」も立派な強さです。

SNSから少し距離を置く

心が疲れたときは、SNSを一時的に離れてみるのも有効な方法です。

リアルな世界でリフレッシュしたり、人と直接会うことで、バランスを取り戻しやすくなります。

情報の取捨選択を意識する

SNSには膨大な情報が流れていますが、そのすべてを受け取る必要はありません。

自分にとって必要なもの、元気になれるものだけを選び取る意識を持ちましょう。

心に優しい情報空間を、自分で作ることができます。

悪口を言う側にならないために気をつけたいこと

感情的になったときはすぐに投稿しない

怒りや悲しみを感じたとき、そのままSNSにぶつけてしまうと、後悔するような発言になりかねません。

一呼吸置いてから、「本当に投稿すべきか?」と自問する習慣を持つことが大切です。

ネガティブな感情は別の形で吐き出す

ノートに書き出す、信頼できる人に話す、運動をするなど、健全な方法で感情を外に出す方法を探しましょう。

感情をため込むより、上手に外に出すことが心の健康には欠かせません。

他人と自分を比較しすぎない

SNSでは「誰かと比べて自分はどうか」と考えがちですが、それは心を消耗させます。

自分は自分、相手は相手。

違いを認めることができると、他人を攻撃する必要もなくなります。

悪口や誹謗中傷にどう向き合うか、長期的な視点で考える

一時的にショックを受けたとしても、あなたの人生にとって、その悪意ある言葉はほんの小さな出来事に過ぎません。

自分の人生を生きることに集中する

誹謗中傷をする人は、他人の人生に口を出すことでしか存在意義を感じられないことがあります。

そんな人たちに時間や心を奪われるのは、もったいないことです。

あなたは、あなたの目指す未来のためにエネルギーを使いましょう。

自分にしかない価値を再確認する

あなたには、あなたにしかない素晴らしさがあります。

優しさ、頑張り、ユーモア、誠実さ——SNSの中だけでは測れない、たくさんの魅力が必ずあります。

自分の良いところを10個書き出してみるだけでも、自尊心はぐっと強くなります。

「他人の評価」と「自分の価値」を切り離す練習をする

SNSの世界は、どうしても「他人の評価」に左右されがちです。

でも、他人がどう思うかは、あなた自身の価値とは無関係です。

自分の心の中にある「私は私でいい」という静かな自信を少しずつ育てていきましょう。

もし法的対応が必要な場合

悪口や誹謗中傷の内容があまりにもひどい場合や、名誉毀損、脅迫に該当するようなケースでは、法的措置を検討してもよいでしょう。

証拠をしっかり保存する

投稿のスクリーンショット、URL、日時などを必ず記録しておきましょう。

悪質な場合、これらの証拠が警察や弁護士に相談する際に大きな力になります。

専門家に相談する

弁護士に相談すると、どう対応すればよいか、どこまでが違法行為に当たるかを具体的に教えてもらえます。

無料相談を受け付けている弁護士事務所もあるので、ハードルが高いと感じる方もまずは一歩踏み出してみてください。

自分の安全と心の健康を最優先に

加害者に対して何かアクションを起こすかどうかは、自分の心の状態と相談しながら決めましょう。

無理に戦おうとせず、「離れる」「守る」という選択肢を持つことも、自分を大切にする行動のひとつです。

まとめ

SNSで悪口を言う人や誹謗中傷する人には、さまざまな心の背景があります。

しかし、あなたがその被害を受けたからといって、あなたの価値が下がるわけでは決してありません。

大切なのは、相手の問題を自分の中に取り込まないこと。

そして、自分の心を大切に守りながら、健やかにSNSと付き合っていくことです。

つらい思いをしたあなたが、少しでも心を軽くできるよう、この記事が小さな助けになればうれしいです。

あなたはあなたのままで、大切な存在です。