SNSに何気なく投稿した内容に対して、親から「こんなこと書かない方がいいんじゃない?」「あなたらしくない」といったダメ出しをされた。
そんな経験はありませんか?
自由な表現の場であるはずのSNSで、身近な家族からの否定的な言葉を受けると、心がキュッと縮こまってしまうものです。
今回は、「親からSNS投稿にダメ出しされたときの心の守り方」をテーマに、心理カウンセラーの視点から、自分らしさを保つためのヒントをお届けします。
SNSと親の価値観がぶつかるとき
世代による感覚のズレ
SNSを通じての発信は、現代の若者にとっては自然で当たり前のコミュニケーション手段です。
けれど、親世代にとっては「何をネットに書くべきか」「何を書かないべきか」といった判断基準が大きく異なることがあります。
たとえば、プライベートな内容を投稿することに抵抗を感じたり、写真や言葉遣いに厳しくなったり。
そうしたズレから、投稿内容に対して否定的なコメントが寄せられてしまうのです。
「心配」と「コントロール」の境目
親のダメ出しの多くは、実は「子どもを思う気持ち」から来ています。
危ない目にあってほしくない。 変な誤解を招かないようにしてほしい。
そんな親心からの忠告であることも少なくありません。
けれど、そこに“正しさ”や“常識”を押しつけるような言葉が重なると、受け取る側は「コントロールされている」と感じてしまいます。
否定されると、なぜこんなに苦しいの?
自分の表現が否定されたと感じるから
SNSに投稿する内容は、その人の思いや感性が反映された「小さな自己表現」です。
それに対して「やめた方がいい」「ダメだ」と言われると、まるで自分自身を否定されたように感じてしまうのです。
自分が大切にしているものを受け入れてもらえないと、人はとても孤独になります。
だからこそ、たとえ相手が親であっても、ダメ出しは深く心に刺さってしまうのです。
親との価値観の違いをどう受け止める?
「違う」という事実を、否定しない
親と自分の感じ方や考え方が違うのは、ごく自然なことです。
違うからこそ、ぶつかることもある。 けれど、それは「どちらかが間違っている」という意味ではありません。
「親と私は感じ方が違うんだな」
そう受け止められるようになると、少し気持ちが楽になります。
全部に応える必要はない
親の言葉に、すべて応える必要はありません。
もちろん、耳を傾けることは大切です。
でも、納得できないことや、自分の感性に合わないことまで無理に受け入れる必要はないのです。
「そういう意見もあるんだな」
そのくらいの気持ちで受け流してもいいのです。
気持ちを守るための行動アイデア
フォロワー設定を見直してみる
どうしても親からの反応が気になる場合は、思い切って投稿を見られないようにする設定もひとつの手段です。
InstagramやX(旧Twitter)では、特定の人にだけ投稿を見せないように設定することもできます。
距離を取ることは、冷たいことではありません。
自分の気持ちを守るための“優しい選択”なのです。
投稿のスタイルを変えてみる
言葉のトーンを少しやわらかくしたり、あえて深く踏み込まないスタイルにすることで、親からの過干渉を避けられることもあります。
「自分らしさを残しつつ、伝え方を工夫する」
そんな姿勢が、親子関係の摩擦を減らすことにもつながります。
誰かに否定されたとき、思い出してほしいこと
否定=価値がない、ではない
誰かに投稿内容を否定されたとしても、それがあなたの価値を決めるわけではない。
あなたが感じたこと、発信したいと思った気持ちは、それだけで大切なものです。
誰にでも好かれる必要はありません。
自分にとって大切な人や、理解してくれる人がいるだけで十分です。
気持ちを整理する時間をもつ
心がもやもやしているときは、感情をノートやスマホのメモに書き出してみるのも効果的です。「なんでそんなこと言われたんだろう?」 「自分はどうしたかったんだろう?」
そんな問いかけを通して、自分の本当の気持ちが見えてくることもあります。
まとめ:あなたの表現を大切にしていい
SNSは、本来自由な表現の場です。
親のダメ出しが気になることもあるけれど、それをすべて鵜呑みにする必要はありません。
大切なのは、「自分の感性を尊重すること」。
そのうえで、時には相手の立場も理解しながら、ちょうどよい距離感を見つけていけたらいいですね。
あなたの感じたこと、伝えたいと思ったことには、ちゃんと意味があります。
どうか、自分の言葉や気持ちを大切にしてあげてくださいね。