推しや好きな人から自分だけ”いいね”されない…その心の痛みと向き合い方

SNSが日常生活に溶け込んだ今、誰もが気軽に情報を発信し、他者とつながれる時代になりました。

推しや好きな人の投稿にリアクションしたり、自分の投稿に対して反応があるかどうかを気にするのは、ごく自然なことです。

しかし、いざ自分が投稿したときに「自分以外には“いいね”しているのに、私には反応がない」と感じると、心がざわつき、不安になったり、落ち込んだりしてしまうことがあります。

この記事では、そのような気持ちの背景にある心理や、どう向き合っていけばよいのかについて、ベテラン心理カウンセラーの視点から丁寧に解説していきます。

なぜ「自分だけ」が気になるのか

「他の人には“いいね”しているのに、自分にはない」という状況は、無視されたように感じたり、自分が劣っているのではないかという不安を生みます。

これは「排他性(自分だけが除外されている)」という感情が刺激されるためです。

人間は社会的な動物であり、集団に受け入れられることを本能的に求めます。

そのため「自分だけが違う扱いを受けてる」と感じると、強いストレスを感じるのです。

SNSの“いいね”の心理的な意味

“いいね”は本来、共感や好意を表すシンプルなアクションですが、それが評価や承認の指標になっているのが現代のSNSです。

人によって“いいね”の基準は異なり、単に流し見しているだけのことも多いです。

また、SNSのアルゴリズムやタイムラインの表示順によって見逃されている可能性も十分にあります。

にもかかわらず、“いいね”の有無に敏感になってしまうのは、自己評価が他者の反応に影響されやすい状態であることを意味します。

推しや好きな人が“いいね”しない理由

考えられる理由はいくつかあります。

  • そもそも投稿を見ていない
  • “いいね”の基準が厳しい
  • あなたとの関係性を目立たせたくない
  • 無意識に選んでいる

ここで重要なのは、「“いいね”されない=嫌われている」という短絡的な解釈をしないことです。

推しや好きな人に期待を抱くのは自然なことですが、SNS上の行動が必ずしもその人の本心や評価を正確に反映しているわけではありません。

比較してしまう自分との付き合い方

他の人に“いいね”されているのを見てしまうと、自分と比べてしまう気持ちが湧くのは当然です。しかし、比較には終わりがありません。

どれだけ“いいね”をもらえても、「もっと多くの人に」「あの子のほうがすごい」と、次の不満や不安が生まれてしまいます。

比較のスパイラルから抜け出すには、自分のペースや価値観を大切にすることが鍵になります。

「私はこれが好きだから投稿する」「誰かの承認がなくても私はこれでいい」と自分の軸を持つことが、心の安定につながります。

心の距離を保つためのヒント

SNSでの反応に一喜一憂しないためには、心の距離を上手に取ることが重要です。

  • SNSの通知を切る
  • 投稿後はしばらくアプリを開かない
  • SNS以外の楽しみやつながりを増やす

これらの工夫により、“いいね”に過敏にならない時間を作ることができます。

また、SNS上のやりとりに対する期待値を下げることで、過度な心配や落ち込みを防ぐことができます。

承認欲求との向き合い方

「誰かに認められたい」「好きな人に気づいてほしい」という感情は自然で健全なもの。

問題なのは、それが自己価値のすべてになってしまうことです。

承認欲求に振り回されないためには、自己認識と自己承認が欠かせません。

  • 今日の自分を一つ褒める
  • 自分が大切にしていることを書き出してみる
  • 他人の評価よりも、自分が満足できたかどうかを大切にする

こうした習慣を持つことで、心の中の土台を安定させることができます。

具体的な心のケア方法

心理的なセルフケアとして、以下の方法も有効です。

  • 日記をつける(自分の気持ちを言語化する)
  • 瞑想や深呼吸で心を整える
  • 信頼できる友人やカウンセラーに話す

気持ちを抱え込まず、外に出すこと。

そして、自分が今感じていることを否定せず、「そう思っても仕方ないよね」と受け入れること。これが、心を軽くする第一歩になります。

まとめ:あなたの価値は“いいね”の数では測れない

“いいね”がないからといって、あなたが価値のない人間だというわけではありません。

あなたには、あなたにしかない魅力があります。

大切なのは、その魅力を自分自身が認めてあげることです。

SNSの世界では見えないものがたくさんあります。

見える数字に惑わされすぎず、見えない部分の自分の良さや努力にも目を向けていきましょう。

あなたの心が、少しでも軽くなりますように。