SNSに可愛い子ばかりいて病む、比較して自分の顔が嫌いになる….

SNSを開けば、キラキラした笑顔、美しく整った顔立ち、洗練されたファッション。

そこには「可愛い子」があふれていて、自分とはまるで別世界のように感じてしまう。

  • なんで私だけこんな顔なんだろう
  • 比べても意味がないってわかってるのに、気になってしまう

そんなふうに、自分の顔や存在に価値を感じられなくなっていく――。

この記事では、SNS時代ならではの「外見コンプレックス」とどう向き合えばいいのかを、心理カウンセラーの視点からやさしく解説していきます。

なぜSNSは「可愛い子」ばかりに見えてしまうのか?

SNSは“演出の場”であることを忘れないで

SNSに投稿されている写真は、たいていがベストショットです。

何十枚も撮って、その中の1枚を選び、加工して、光の加減まで調整していることが多いです。つまり、あの「可愛い」は、日常の一部というより“完成された作品”。

私たちは、誰かの「最高の一瞬」と、自分の「ありのままの毎日」を比べてしまっているのです。

フォロワー数や“いいね”の多さが価値に見えてしまう錯覚

SNSの仕組みは、「目立つもの」を優先的に表示するようになっています。

だから、自然と“華やかに見える人”“美しく見える人”が目に入りやすい構造になっているのです。

「SNSで人気=価値のある人」という錯覚に陥りやすく、ますます比較心が膨らんでしまいます。

「自分の顔が嫌い」という気持ちの正体とは?

自己否定の根っこにあるのは“見捨てられ不安”

多くの人が「可愛くなければ好かれない」「綺麗じゃなきゃ選ばれない」と感じてしまうのは、実は人間の根源的な欲求である“承認欲求”が関係しています。

「愛されたい」「認められたい」と願う気持ちが強いほど、自分に足りない部分に意識が向き、外見に対する不安が増していきます。

比較癖が育ってしまった背景には何がある?

子どもの頃から「○○ちゃんは可愛いのに」「妹の方が愛されてる」など、他者との比較で自分の価値を測られてきた経験があると、大人になっても無意識にその枠組みを引きずってしまうことがあります。

その結果、SNSでも「誰かと比べている状態」が当たり前になってしまうのです。

SNSに心を支配されそうになったときのセルフケア

 「見る」時間をコントロールする

まずは、SNSに触れる時間を意識して減らしてみましょう。

朝起きてすぐや寝る前、気分が落ち込みやすい時間帯にSNSを見るのは避けるのがベターです。

特に無意識にスクロールしてしまう“ながら見”は、知らず知らずのうちに心のストレスを溜め込んでしまいます。

「可愛い」と感じる気持ちの裏側を見つめる

他人の美しさを認識できるということは、それを感じ取れる“美意識”をあなたが持っているという証でもあります。

「可愛い」と感じるとき、自分はどこに惹かれているのか、なぜその人に注目してしまうのか。

その理由を言語化してみると、自分自身の価値観や欲求が見えてきます。

そして、そこから「本当に自分が求めているもの」に気づくこともできるのです。

「私は○○が好き」と自分の世界を取り戻す

他人の世界ばかり見ていると、つい自分の軸を見失ってしまいます。

そんなときは、「自分が好きなもの」「心が落ち着くこと」に目を向けてみましょう。

好きな音楽、映画、散歩、美味しいごはん――。

自分だけの心地よい世界を再確認することで、「自分らしさ」が少しずつ戻ってきます。

顔のコンプレックスとうまく付き合うためのヒント

 「美しさ」はひとつじゃないと理解する

美しさの基準は、時代や文化、見る人の価値観によって大きく変わります。

いわゆる“可愛い顔”だけが魅力ではなく、表情、雰囲気、声、話し方、仕草――

人の魅力は、本当にさまざまです。

鏡で見る自分にがっかりしてしまったときは、「今この瞬間の顔が、すべての評価ではない」と自分に優しく声をかけてあげましょう。

自分に合った“映えない”写真を楽しんでみる

無理に加工して盛った写真を作るより、自分が自然に写っている一枚の方が、安心感を感じられることがあります。

仲のいい友達と笑っている写真、日常のふとした表情、ちょっとボサボサでも元気な顔――

「完璧じゃないけど、なんかいい」そんな写真が、自分へのまなざしをやさしくしてくれます。

比較に疲れたときに試してほしい具体的なワーク

SNS断ちチャレンジ

まずは1日、次は3日、1週間。

SNSを一切見ない時間を作ってみることで、意外なほど心が静かになるのを感じられるかもしれません。

その間に日記をつけたり、体を動かしたり、自分を整える時間にあててみましょう。

「自分を褒める習慣」を作る

毎日寝る前に、その日に自分ができたこと、よかったことを3つ書き出してみる。

「早起きできた」「やさしくできた」「ちゃんと歯磨きした」――

どんな小さなことでもOKです。

自分に目を向ける練習を重ねるうちに、他人と比べるクセが少しずつ減っていきます。

まとめ:あなたの魅力は、あなたの中にある

SNSは刺激が強く、外見での比較を生みやすい場所でもあります。

それでも、自分の魅力や価値は、見た目だけで決まるものではありません。

「病むほど見てしまう」自分を責める必要はありません。

それだけ感受性が強く、何かに反応できる心を持っているということ。

その心を、どうか自分を傷つけるためではなく、自分を癒すために使ってほしいのです。

あなたはあなたのままで、十分に価値があります。

外の世界に振り回されず、自分を大切にする毎日を取り戻していけますように。