スマホを持っている人なら、ほとんどの方がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったことがあるのではないでしょうか。
LINEやTwitter(現X)、Instagram、TikTok、Facebookなど、たくさんの種類があり、日常生活に深く根付いています。
SNSは私たちの生活をより便利で楽しいものにしてくれる一方で、使い方によっては問題を引き起こすこともあります。
この記事では、SNSの良い点(メリット)と悪い点(デメリット)について、誰にでも分かりやすく説明していきます。
SNSとは?
SNSとは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略で、インターネット上で人と人とのつながりを作ったり、情報を共有したりするサービスのことです。簡単に言えば、「ネット上で交流できる場所」です。
代表的なSNSには以下のようなものがあります:
- LINE:メッセージのやり取りやグループトーク
- Twitter(X):短い文章や画像を投稿
- Instagram:写真や動画を中心に共有
- TikTok:短い動画を作成・視聴
- Facebook:友達や家族とのつながりを維持
- YouTube:動画を投稿・視聴
SNSのメリット
いつでもどこでも人とつながれる
SNSの最大の魅力は、離れた場所にいる人とも簡単につながれることです。海外に住む友達や家族とも、無料で気軽にメッセージのやり取りができます。以前なら国際電話や手紙などでしか連絡できなかったことが、今ではスマホ一つで実現できます。
例えば、大学を卒業して別々の場所に住むようになった友人たちとグループチャットを作れば、忙しい日常の中でも関係を保ち続けることができます。
情報をすぐに得られる
SNSでは最新の情報がリアルタイムで流れてきます。ニュースサイトが報道する前に、現場にいる一般の人が投稿することで、地震や事故などの緊急情報がすぐに広まることもあります。
また、自分が興味のあるアーティストや企業、お店などをフォローしておけば、最新情報を見逃すことなく知ることができます。「あのお店が新メニューを出した」「好きなアーティストがライブを発表した」といった情報をいち早くキャッチできるのは大きな利点です。
新しい出会いや可能性が広がる
SNSを通じて、同じ趣味や関心を持つ人たちと出会うことができます。現実世界では出会えなかったかもしれない人と知り合い、新しい友人ができたり、ビジネスのチャンスが生まれたりすることもあります。
例えば、料理が好きな人は料理のコミュニティで情報交換したり、写真が趣味の人は写真共有サイトで作品を発表したりすることで、同じ趣味を持つ人とつながれます。
自己表現の場になる
SNSは自分の考えや作品を発表する場としても活用できます。文章、写真、動画、イラストなど、さまざまな形で自分を表現することができます。
例えば、歌が上手な人はカバー曲を投稿したり、料理上手な人はレシピを共有したりすることで、自分の才能や知識を多くの人に知ってもらうことができます。中には、SNSでの活動がきっかけで仕事につながる人もいます。
困ったときに助け合える
SNSを使って、困ったときに助けを求めたり、情報を集めたりすることができます。「この商品の使い方が分からない」「おすすめの病院を知りたい」といった質問に、多くの人が答えてくれることがあります。
また、災害時には安否確認や支援情報の共有に役立ちます。東日本大震災や熊本地震など、大きな災害の際にSNSが重要な連絡手段となった例は少なくありません。
SNSのデメリット
個人情報の漏えいリスク
SNSでは、自分に関する情報を投稿することが多いため、個人情報が漏れる危険性があります。名前や住所、電話番号などの基本情報だけでなく、写真から居場所が特定されるケースもあります。
例えば、旅行中の写真をリアルタイムで投稿すると「今、家に誰もいない」ということを知らせてしまうことになり、空き巣のターゲットになる可能性も。また、子どもの写真を安易に投稿することで、トラブルに巻き込まれるリスクもあります。
時間を奪われがち
SNSは「ちょっと見るだけ」のつもりが、気づいたら何時間も経っていた…という経験をした人も多いのではないでしょうか。次々と新しい情報が流れてくるため、ついつい長時間見てしまいがちです。
この「スクロールが止まらない」状態は、SNS側が意図的に設計した「依存させる仕組み」によるものでもあります。勉強や仕事、家族との時間など、本当に大切なことに使うべき時間が奪われてしまうのは大きな問題です。
SNS疲れ・比較疲れ
SNSでは多くの人が「良いところ」だけを切り取って投稿するため、他の人の生活が自分より充実しているように見えてしまいます。「みんな楽しそうなのに自分だけ…」と感じ、自己肯定感が下がることも。
また、「いいね」の数や返信の速さなどを気にしすぎて、精神的に疲れてしまう人も少なくありません。SNSでのやり取りに神経をすり減らし、「SNS疲れ」を感じる人が増えています。
いじめや炎上のリスク
SNSでは匿名性を利用した誹謗中傷や、集団で特定の人を攻撃する「炎上」が起きることがあります。一度ネット上に広まった情報は完全に消すことが難しく、長期間にわたって影響が続くことも。
特に10代の若者の間では、SNSを使ったいじめが社会問題になっています。グループから外されたり、プライベートな情報を勝手に共有されたりするなど、目に見えない形でのいじめが増えています。
情報の信頼性の問題
SNSでは誰もが情報発信できるため、間違った情報や偽ニュースが拡散されることがあります。特に衝撃的な内容は急速に広まりやすく、後から「あれは嘘でした」と分かっても、訂正情報まで目にする人は少ないものです。
例えば、災害時にデマが広がり混乱を招いたり、健康や医療に関する誤った情報によって被害が生じたりするケースがあります。情報の出所や真偽を確かめずに拡散してしまうのは危険です。
年代別のSNS利用と注意点
子ども・10代の場合
子どもや10代の若者は、SNSの使い方に慣れている一方で、判断力や経験が不足しているため特に注意が必要です。
メリット:
- 友達とのコミュニケーションが取りやすい
- 同じ趣味を持つ仲間を見つけられる
- デジタルスキルが自然と身につく
デメリット:
- SNSいじめの対象になる可能性
- 見知らぬ人との危険な出会い
- 依存症になりやすい
- 学業への悪影響
対策:
- 保護者が基本的なルールを設ける(使用時間の制限など)
- 個人情報の公開について話し合う
- 困ったことがあったら相談するよう伝える
- フィルタリングサービスの活用
20〜30代の場合
若い社会人世代は、最もSNSを活用している年代です。プライベートとの線引きが難しくなることがあります。
メリット:
- キャリアアップやビジネスチャンスの獲得
- 情報収集や学びの場として活用
- 離れた友人との関係維持
デメリット:
- プライベートな投稿が仕事に影響することも
- 他人と比較して自己肯定感が下がる
- 時間管理が難しくなる
対策:
- アカウントの公開範囲を適切に設定する
- 仕事関連の投稿には細心の注意を払う
- 「今この瞬間を楽しむ」ことを忘れない
40〜50代の場合
中高年世代は、SNSの使い方を学びながら活用している人が多いです。セキュリティ面での知識が必要です。
メリット:
- 旧友や同窓生との再会
- 趣味や関心事に関するコミュニティへの参加
- 子や孫との新しいコミュニケーション手段
デメリット:
- セキュリティ意識が不足しがち
- 詐欺や悪質な投稿に騙されるリスク
- 操作方法に不慣れで困ることも
対策:
- 基本的なセキュリティ知識を身につける
- 不審なメッセージやリンクには反応しない
- 困ったときは若い世代に相談する
60代以上の場合
シニア世代にとって、SNSは新しい世界との接点になる一方、使いこなすのが難しい面もあります。
メリット:
- 家族や離れて暮らす子どもとの交流
- 同年代の仲間との情報交換
- 新しい趣味や活動との出会い
デメリット:
- 操作方法の習得が難しいことも
- 詐欺被害のターゲットになりやすい
- 情報の真偽の見極めが難しい
対策:
- 家族や信頼できる人に操作を教えてもらう
- 個人情報の取り扱いに注意する
- 少しずつ使い方を覚えていく
SNSとの上手な付き合い方
利用時間を決める
SNSに費やす時間を前もって決めておくと、だらだらと長時間使ってしまうのを防げます。例えば「朝30分、夜1時間まで」など具体的な時間を設定しましょう。スマホの設定で利用時間を制限する機能も活用できます。
通知をオフにする
常に通知が来ると、つい確認したくなってしまいます。集中したい時間や休息時間は通知をオフにすることで、自分のペースでSNSを見ることができます。
定期的なデジタルデトックス
週末の1日や、月に1回など、定期的にSNSから離れる時間を作りましょう。実際に会って人と話したり、趣味に没頭したりする時間を大切にすることで、SNSへの依存を防げます。
フォローする相手を選ぶ
見ていて不快になる投稿や、自分を不安にさせる内容を投稿する人のフォローを外すことも大切です。自分にとって本当に必要で価値のある情報を提供してくれる相手だけをフォローしましょう。
自分の投稿を見直す習慣
投稿する前に「この情報を公開して大丈夫か」「誰かを傷つけないか」と一度考える習慣をつけましょう。特に怒りや強い感情がある時の投稿は、一晩置いてから見直すと良いでしょう。
まとめ
SNSには人とつながれる、情報が得られる、自己表現ができるなどの良い面がある一方で、個人情報の漏えいリスクや依存性、精神的な疲れなどの問題点もあります。
大切なのは、SNSを使う目的を明確にし、自分の生活の中でバランスよく活用することです。「SNSは便利な道具」であり、その道具をどう使うかは私たち次第です。
上手に活用すれば生活を豊かにしてくれるSNS。メリットを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えるために、この記事で紹介した付き合い方のヒントを参考にしてみてください。
日々進化するSNSと上手に付き合いながら、リアルな人間関係も大切にする。そんなバランスの取れた生活が、これからの時代にはますます重要になってくるでしょう。