SNS、特にX(旧Twitter)などの投稿で、友達らしき人から悪口を書かれた。
名指しこそされていないものの、内容から自分のことだと確信してしまう。
そんな経験に、胸を痛めたことはありませんか。
人間関係の信頼が一気に崩れるような、裏切られたような感覚。
怒りや悲しみ、混乱、孤独感――心が追いつかないまま、何度も投稿を見返してしまうかもしれません。
この記事では、心理カウンセラーの視点から、このようなショックな状況にどう向き合うか、心をどう守るか、そして必要な行動について丁寧にお伝えします。
なぜSNSで悪口を書かれるとこんなにショックなのか
「友達」という信頼の裏切り
友達とは、本来お互いを信頼し合い、支え合う存在です。
その友達から、しかも匿名性の高いSNSで攻撃されたと感じると、普通の悪口以上に心が傷つきます。
「なぜ直接言ってくれなかったのか」「私のことをそんなふうに思っていたんだ」というショックは、簡単に癒えるものではありません。
名指しされないことで心が余計に揺れる
はっきり「あなた」と書かれていないからこそ、余計に心がかき乱されます。
「もしかして勘違い?」「でも内容があまりにも一致してる」――そうして、疑いと確信の間を行ったり来たりし、消耗してしまうのです。
はっきりと否定できない不確かさが、心の傷を深める一因になります。
公の場で傷つけられる無力感
SNSは不特定多数が見る場です。
そこで悪意のある投稿がされると、「多くの人が私を馬鹿にしている」「世界中から否定された」と感じやすくなります。
実際には投稿者本人だけが問題でも、被害者側の心には広く、深く傷跡を残します。
ショックを受けたときにまず心がけたいこと
「感じるまま」を許す
ショックを受けている自分を責めないでください。
怒り、悲しみ、悔しさ、情けなさ……どんな感情も、あなたの自然な反応です。
「こんなことで傷つく自分は弱い」などと思わなくて大丈夫。
まずは、感じるままに感情を認めましょう。
SNSから一時的に離れる
投稿を何度も見返すことは、心にさらにダメージを与えます。
辛いときはSNSを閉じ、スマホを手放しましょう。
「確認しないと不安」という気持ちが強いかもしれませんが、その衝動に流されるたびに心の痛みは深まってしまいます。
自分を守るために、物理的な距離を取ることも大切です。
信頼できる人に話す
ひとりで抱え込むと、どんどん負の感情に飲み込まれてしまいます。
家族や信頼できる友人、または心理カウンセラーに、今の気持ちを話してみましょう。
「自分を理解してくれる存在」がいると感じるだけで、心の重荷はぐっと軽くなります。
SNSで悪口を見たあとの具体的な対処法
「証拠」をスクリーンショットで保存しておく
たとえ直接行動に移さなくても、証拠は残しておきましょう。
感情的になってすぐに削除依頼をしたり、相手に連絡を取ったりする前に、投稿の画面をスクリーンショットで保存します。
後々、冷静に対応するための大切な準備になります。
すぐに反応しない
怒りや悲しみから、すぐに相手にメッセージを送ったり、SNSで反論したくなるかもしれません。
しかし、感情的な行動は事態を悪化させるリスクが高いです。
まずは深呼吸して、一晩置く。
冷静な判断を取り戻すまで、直接的な行動は控えましょう。
適切なサポートを求める
もし投稿が悪質な場合は、SNS運営会社への通報、または学校、職場、場合によっては警察への相談も選択肢に入ります。
「たかがSNS」と片付けず、自分の心を守るために堂々と助けを求めてください。
なぜ悪口を言う友達が現れるのか
相手自身の不安や劣等感
悪口を書く人の心理には、しばしば劣等感や自己否定感があります。
誰かを下げることで、自分の立場を保とうと無意識にしてしまうのです。
これは決して、あなたの価値を反映するものではありません。
嫉妬や誤解による攻撃
あなたが何かに成功していたり、他の友達と仲良くしていたりすると、相手が嫉妬している場合もあります。
また、何かの誤解から恨みを抱かれていることもあります。
いずれにせよ、相手の中にある問題であり、あなたの存在そのものを否定する理由にはなりません。
無意識のストレス発散
日常生活で抱えたストレスを、誰かへの攻撃という形で発散している人もいます。
ターゲットにされたあなたが悪いわけではありません。
攻撃する人自身が、心に大きな問題を抱えていることがほとんどです。
「自分が悪いのかも」と思ったときに考えてほしいこと
ショックを受けると、「私が悪かったのかな」と自分を責めたくなるものです。
ですが、たとえあなたに多少の失敗や誤解があったとしても、悪口という形で攻撃していい理由にはなりません。
人間関係にミスがあったなら、対話で解決するのが本来のあり方です。
SNSで悪意を向ける行為は、どんな状況でも正当化できないと、強く心に留めておきましょう。
長期的に心を守るためにできること
SNSとの距離感を見直す
SNSは便利なツールですが、感情を消耗しやすい場所でもあります。
自分を守るために、使う時間や接し方を意識的に見直していきましょう。
必要なら、アカウントを非公開にする、フォローを整理する、投稿を控えるなどの工夫も有効です。
自己肯定感を育てる習慣を持つ
日々、自分を肯定する習慣を取り入れることは、他人からの評価に揺れにくくなる土台になります。
例えば、
- 毎日ひとつ「今日できたこと」を書き出す
- 自分に優しい言葉をかける
- 小さな達成を祝う
こうした積み重ねが、あなたを芯から強くしていきます。
カウンセリングを活用する
もし傷つきが深く、自力では回復が難しいと感じるときは、心理カウンセリングのサポートを受けましょう。
専門家と一緒に心の整理をしていくことで、驚くほど回復が早まることがあります。
まとめ
SNSで友達から悪口を書かれたとき、心が大きく傷つくのは自然な反応です。
それはあなたが弱いからでも、価値がないからでもありません。
大切なのは、傷ついた自分を責めず、きちんと守ること。
相手の行動に振り回されず、自分自身を大切にする選択をしていきましょう。
あなたの存在は、誰かの言葉によって価値が変わるものではありません。
今のあなたにできる一番優しいことを、一歩ずつ重ねていけますように。