SNSに写真を投稿しようとするとき、「このままだと変じゃないかな」「加工しないと人に見せられない」と、ついフィルターを重ねてしまう。
でも、本当は加工しなくても投稿できる自信がほしい、そのままの私を好きになりたい。
この記事では、心理カウンセラーの視点から、「加工しないと投稿できない」と感じる背景と、そこから抜け出すための考え方や行動について、わかりやすくお伝えしていきます。
なぜ「加工しない自分」では不安になるのか?
SNSの文化が作る「理想の顔」
今や当たり前になっている「盛れる加工」。
でも、SNSに流れてくる写真の多くが加工されている世界では、無意識に「加工=普通」「加工なし=手抜き」と感じてしまいます。
すると、「自分も加工しないと見劣りする」「可愛くないまま投稿したら笑われるかも」という不安が生まれてきます。
自分の顔を“評価されるもの”と捉えてしまう
SNSは「いいね」や「コメント」といった反応が可視化される場所。
だからこそ、投稿する前から、「この顔で大丈夫?」「変って思われない?」といった不安が強まってしまうのです。
投稿が「自己表現」ではなく、「評価を受けるテスト」になってしまうと、加工なしでは投稿できなくなるのも無理はありません。
加工の顔に慣れすぎて「現実の顔」に違和感を覚える
加工アプリで見慣れた“自分の理想的な顔”は、肌もきれい、輪郭もシャープ、目も大きい。
でもその顔に慣れるほど、鏡に映る「本当の自分」が違って見えてしまい、「この顔じゃだめ」「自信がない」と思ってしまうことも。
これは、自分の本来の顔を「劣ったもの」として捉えてしまう心のクセが影響しています。
自信が持てない理由と向き合う
問題は「見た目」ではなく「自分へのまなざし」
多くの人が「見た目に自信がない」と言いますが、本当の悩みは「自分をどう見ているか」にあることが多いです。
例えば、友達の顔を見て「ちょっとまぶたが重いからこの子ブス」なんて思わないのに、自分のことは厳しく評価していませんか?
「他人にはやさしいのに、自分には冷たい」このギャップが、自信のなさを生んでしまうのです。
誰と比べて「可愛くない」と思ってる?
- SNSで見るあの子はいつも可愛い
- 加工なしの私なんて投稿できない
こう感じるとき、比較の対象になっているのは、“他人の加工済み写真”です。
つまり、「理想の姿としか比べていない」状態になっています。
でも現実には、誰もがニキビもできるし浮腫む日もあるし写真写りが悪いこともある。
「その日そのときの自分」を受け止める視点が、少しずつ“加工の呪い”を解いてくれます。
「加工しない自分」を好きになるためのステップ
ステップ1:投稿しなくても、自分の写真を残してみる
まずは「誰かに見せる」目的を一旦外し、“自分のために”加工なしの写真を撮ってみましょう。
無理に投稿しなくてOK。
日々の変化や雰囲気を記録するだけで、「こんな表情してるんだ」「笑うと意外と可愛いかも」と気づける瞬間があります。
ステップ2:フィルターを“おしゃれの一部”として使ってみる
加工をやめようとすると、かえってストレスになることもあります。
そんなときは、“盛るための加工”ではなく、“雰囲気を楽しむ加工”に視点を変えてみましょう。
たとえば、レトロ風フィルターやフィルムカメラ風の色味など。
「自分の顔を変えるため」ではなく、「写真の世界観を作るため」と思うと、心が軽くなるはずです。
ステップ3:反応のない投稿も大事にする
「いいねが少ない=失敗」ではありません。
SNSは、その瞬間を残すこと、自分が表現することに意味があります。
反応が多いと嬉しいけれど、それがすべてじゃない。
「誰にも見られてないけど気に入ってる写真」をあえて投稿してみるのも、自分との距離を縮める一歩です。
心のケアが、見た目の自信につながる
自分にやさしい言葉をかけてあげよう
人に言われて嬉しい言葉って、ありますよね。
- そのままでいいよ
- よく頑張ってるね
- 笑った顔が素敵だよ
これを、まずは自分に向けてみてください。
最初は照れくさいかもしれませんが、“自分にやさしい言葉をかける習慣”は、見た目に対する安心感を育ててくれます。
「本当の可愛さ」は“加工”ではつくれない
SNSに溢れている「キラキラ」は、一瞬の魔法のようなもの。
でも、誰かがあなたに惹かれる理由は、本当はそのフィルターの向こう側にある表情や声、雰囲気、人柄にあるのだと思います。
「加工しないと投稿できない」ではなく「この写真、ちょっと気に入ってるから載せてみた」そんなふうに投稿できる日が、きっと近くにあります。
さいごに:あなたのままで、じゅうぶん素敵です
自信がなくても、不安があっても、誰かと比べてしまっても大丈夫。
大切なのは、「加工しないと可愛くない」と思ってしまうほどあなたが“自分を大切に思っている”ということです。
その想いを少しずつ“自分を肯定する力”に変えていけたら、いつか「加工なしの写真も好きになれそう」って思えるかもしれません。
あなたがあなたを認められる日を心から応援しています。