twitter(現X)やInstagramなどのSNS上では気軽に話せるのにリアルで会うと、「緊張してしまう」「思ったより話せなかった」「気まずくなってしまったかも」と感じた経験はありませんか?
SNSが私たちのコミュニケーションの場として当たり前になった今、「ネッ友」との関係性はますます増えています。
けれども、SNSで築いた関係がリアルでもそのままスムーズにいくとは限らない。
むしろ、そのギャップに戸惑ってしまうことも少なくありません。
今回はベテラン心理カウンセラーの視点から、この「SNSでは仲がいいのに、リアルでは話しづらい」悩みに寄り添いながら、その背景や対処法を探っていきます。
ネットでは話せるのに、リアルで話せないのはなぜ?
SNSで築かれる“言葉の関係”
SNS上のやり取りは、基本的に「文字」でのコミュニケーションです。
LINE、Twitter、Instagram、どのツールであっても、まずはテキストが中心。
文字だとじっくり考えることができるし、タイミングも自分で選べる。
一度打ってから消したり、言い方を柔らかくしたりもできる。
つまり、SNSは「準備ができる会話の場」なのです。
その一方、リアルな会話は「瞬発力」が求められます。
表情や間、声のトーンなど、非言語の要素も含めてコミュニケーションが展開されるため、急に会話が難しく感じられてしまうのです。
ネッ友=安全な距離感?
SNSでは、顔が見えないぶん、自分を出しやすいこともあります。
会ったことがないからこそ、かえって本音を語りやすいこともあるでしょう。
その「安心感」こそが、SNSでの会話を盛り上げる大きな要因です。
ところが、実際に顔を合わせると、「どう思われるだろう」「印象が違ったらどうしよう」といった不安が一気に膨らみやすくなります。
つまり、リアルでの距離感に戸惑い、自分の本来のペースが保てなくなるのです。
実際にあった「ギャップに悩む」ケース
「Twitterで毎日リプを送り合っていた友達と、リアルで会ったらほとんど沈黙。どこかぎこちなくて、次から会うのがちょっと怖くなってしまった」
「SNSではふざけ合ってたのに、会ってみたら相手がすごく静かで、自分ばかり話してしまった気がして申し訳なかった」
こうした声はとてもよく聞きます。
これらは決して“相手が悪い”わけではありません。
また、“自分に問題がある”わけでもないんです。
大切なのは、「ネットとリアルでは“別の空気”が流れている」ということを、ちゃんと理解しておくことです。
ギャップを感じるのは自然なこと
ネッ友と会って違和感を覚えるのは、あなたの感受性が豊かだからこそ。
そしてその違和感は、「本音でつながっていたい」という気持ちの裏返しでもあります。
SNSでは見えなかった相手の仕草や雰囲気に触れて戸惑う。
でもそれは、関係性が次のステージへ移ろうとしているサインでもあります。
どうすれば「リアルでの会話」もうまくいく?
会う前に期待値を下げておく
「ネットと同じように話せるはず」と期待すると現実との差にがっかりしやすくなります。
「話せなくてもいい」「会ってみることに意味がある」と気持ちをゆるめることで、緊張も和らぎます。
会話が止まっても気にしない
沈黙が気まずいと感じるかもしれませんが、それは自然なこと。
無理に話を続けようとせず、一緒にいる時間を楽しむ気持ちに切り替えてみてください。
話題を事前に用意しておく
「何を話そう」と焦ることが不安の一因になっているなら、いくつか話題を用意しておくのもひとつの方法です。
たとえば、お互いの趣味や共通の話題、SNSでは話さなかったことなど。
構えすぎず、でも少しの準備で安心感はぐっと増します。
相手も同じように不安かもしれない
あなたが「うまく話せない」と悩んでいるとき、実は相手も同じように悩んでいるかもしれません。
「自分が沈黙させてしまったかな」「SNSのときと印象が違ったかも」…そう思っているのは、あなただけではないのです。
「SNSの中の自分」と「リアルの自分」、その違いをお互いに受け入れ合えることが、真の信頼関係へとつながっていきます。
無理に距離を詰めなくて大丈夫
SNSでの心地よさと、リアルでの距離感。
両方のバランスをうまく取ることは、案外難しいものです。
だからこそ、「無理して仲良くならなきゃ」と焦らなくていい。
少しずつ、あなたのペースで関係を育てていきましょう。
ネットとリアルの“いいとこ取り”で、自分らしく
ネッ友との関係に悩むとき、「どちらが本物の自分か」と悩んでしまうことがあります。
でも、SNSでの自分もリアルの自分も、どちらもあなたです。
その時々の自分を大切にしながら、人とのつながりを少しずつ育てていけば大丈夫。
肩の力を抜いて、ゆるやかに、あなたらしく“つながる”ことを楽しんでいきましょう。