SNSの時代において、多くの人が使い分けている「本垢」と「裏垢」
自分の気持ちを正直に吐き出せる裏垢は、時に心の支えにもなります。
しかし、もしそれを「本垢」に投稿してしまったとしたら?
気づいた瞬間、血の気が引き、胸が詰まるような衝撃とともに、頭の中が真っ白になる——そんな経験をした方も少なくないはずです。
この記事では、心理的ショックの対処法、今後の対策、そして何より「どう気持ちを整理していけばいいのか」を、心理カウンセラーの立場から丁寧にお話していきます。
本垢と裏垢を使い分ける理由
SNSが日常になって久しい現代。「本垢」では知り合いや家族、職場関係の人とつながっており、発言にも気を遣う必要があります。
その一方、「裏垢」は言いたいことを自由に書ける場所。
ストレスのはけ口として、また本音の居場所として大切にしている人も多いのです。
だからこそ、その2つが混ざってしまった時のダメージは計り知れません。
間違えて投稿してしまった時に起こる心の反応
- 「見られたかもしれない」恐怖
- 「どう思われただろう」不安
- 「消してももう遅いのでは」後悔
これらは“社会的評価の危機”に対する自然な心の反応です。
SNSでの失敗は、まるで大勢の前で秘密を叫んでしまったような感覚になります。
自分の価値や信用が一瞬で崩れるように感じるのも無理はありません。
すぐにできる対応策
すぐに投稿を削除する
気づいたら、何よりもまず削除を。早ければ早いほどリスクは下がります。
誰が見ていたかを確認する
通知やリアクションから、反応した人を確認しましょう。
少数であれば、個別に連絡して状況を説明するのも選択肢です。
必要に応じて「おちゃらけたフォロー」も有効
内容にもよりますが、「うっかりやっちゃいました」的な軽いフォローを入れることで、深刻さを和らげられる場合もあります。
頭ではわかっていても、心が苦しいとき
- もう誰とも会いたくない
- SNSを全部やめたい
- この失敗を一生引きずりそう
そう思ってしまう気持ちも、決しておかしなものではありません。
人は「恥ずかしさ」や「評価への恐れ」に非常に敏感です。
でも、同時に“他人は思ったほど気にしていない”という現実もあります。
見た人はたまたま通り過ぎたかもしれませんし、よく内容を覚えていないことも多いのです。
心の傷が深いときのセルフケア
- 深呼吸を繰り返す
- 紙に思いを書き出して、破って捨てる
- 「大丈夫」と自分に声をかける
- 信頼できる人に話してみる
このように、心理的にダメージを受けた自分をいたわることが大切です。
「今はつらくても、時間とともにこの痛みはやわらいでいく」…そのことを、どうか心にとどめておいてください。
よくある「やってしまった」投稿例とリスク
- 本音の愚痴(上司や友人への不満)
- 恋愛の悩みや秘密の関係
- センシティブな発言やブラックジョーク
こういった内容が本垢に流れてしまうと、信頼を失うリスクや人間関係のトラブルに発展することもあります。
ですが、それは「あなたという人間そのもの」が否定されたわけではありません。
あくまで、状況のミスや偶発的なアクシデントなのです。
長い目で見れば、必ず立ち直れる
今は「人生終わった」と感じているかもしれません。
でも、時間は確実に流れていき、周囲の人の関心も移ろっていきます。
SNS上での失敗は、意外と早く忘れ去られていくもの。
それよりも、自分を責めすぎずに次に生かす視点を持つことの方が、はるかに大切です。
今後同じ失敗をしないためのポイント
- 投稿前に必ずアカウント名を確認
- 本垢と裏垢でアイコンや色合いを大きく変える
- 裏垢アプリと本垢アプリを分ける(例:Twitter公式とサードパーティ)
- 投稿内容を一度「下書き」にして数分置く
「間違える前提」で設計することで、ミスのリスクを最小限にできます。
まとめ:あなたはこの失敗を乗り越えられる
SNSでのミスは、一見致命的に思えても、ほとんどの場合「時間」が解決してくれます。
今の不安や苦しみを無理に消そうとせず、「あのときはしんどかったな」と思える日が来ることを信じてください。
そしてなにより、自分を責めすぎず、心に優しく寄り添ってあげましょう。
誰でも、間違うことはあるのですから。