SNSが日常の一部になった今、友人や社会とのつながりだけでなく、親や家族とのつながりもSNS上で発生しています。
- うちの親、私のSNS見てるんだよね
- 本音を投稿したいけど、親にバレたくないから書けない
- フォローされてるから、つい“いい子”の自分を演じてしまう
このような声は、若い世代を中心にとても多く聞かれます。
SNSは“自由な自己表現の場”であるはずなのに、そこに「親の目」という制限が加わると、どこかに“監視されているような息苦しさ”を感じてしまうものです。
本記事では、心理的な背景を丁寧にひも解きながら、今抱えているモヤモヤとした思いに寄り添い、ときには実践的な解決策もご紹介していきます。
あなたが「本音でつながる」感覚を少しでも取り戻せるように。
ゆっくりと読み進めてください。
親に見られているSNS、それって「安心」?「窮屈」?
SNSで親とつながっていることは、必ずしも悪いことではありません。
親のほうも「子どもがどんなことをしているのか知っておきたい」「離れて暮らしていても近況が知れて嬉しい」という気持ちでフォローしていることが多いものです。
しかし、あなたが感じているように、「誰かに見られている」と思った瞬間、本来の自由な表現はしづらくなります。
特にそれが“親”という存在だった場合、無意識のうちに「こう思われたくない」「こういう自分でいなきゃ」という“演出”が始まってしまいます。
SNSは本来、
- ちょっとした日常の愚痴
- 人間関係での戸惑い
- 言葉にできないもやもや
など、リアルでは言いにくいことを“書ける場所”でもあるのに、そこに親の目があると、その「逃げ道」が塞がれてしまうのです。
フォローを外したいのに、できない心理とは?
- ブロックするほどではないけど、外したい
- でも、外したら角が立つし、親が傷つくかもしれない
そんな葛藤を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ここにあるのは、あなたの「優しさ」でもあり、家族との関係性を大切にしたいという思いです。
でも、その優しさが自分の心を苦しくしているのだとしたら、一度立ち止まって、「自分の気持ちを守ること」について考えてみてもいいかもしれません。
窮屈なら親との“距離感”に対して自立のタイミングかも
SNSに限らず、親との「適切な距離感」に悩むのは、成長の一過程です。
あなたが今、親の目を気にしてしまうのは、親との関係において“自立”のタイミングが来ていることのサインかもしれません。
思春期を過ぎて、自分の価値観や生き方を築いていく中で、「親の理解」と「自分の本音」の間にギャップが生まれることはよくあります。
「親に認められたい」「でも本音も大事にしたい」…そんな気持ちがせめぎあうのは自然なことです。
自分を責めずに、その葛藤そのものを受け入れてあげてください。
どうしても辛い時の対処法
自分用の“鍵アカウント”を作る
一番シンプルで効果的なのは、「本音用のアカウント」を作ることです。
信頼できる人だけを招いて、思うままに投稿する場を持ちましょう。
そうすることで、親の目を気にせず、心を解放できるスペースが生まれます。
「分ける」ことは「嘘をつく」ことではありません。
それは、自分の気持ちを健やかに保つための、賢い選択です。
あえてSNS以外で自己表現する
日記をつける、ノートに思いを書き出す、創作活動をする……
SNSに限らず、自分の心を表現する方法はたくさんあります。
「SNS=表現のすべて」になってしまうと、その場が制限されたときに息苦しさを感じやすくなります。
リアルな世界にも「安心して本音を出せる場所」を少しずつ増やしていきましょう。
小さな「NO」を練習してみる
たとえば、こんな一歩から始めてみてください。
- 「SNSではあまりプライベートなことは書かないようにしてるんだ」と親に伝えてみる
- 投稿の頻度を落として、自分の中で距離を調整する
- フォローされているメインアカウントでは“社会的な顔”だけを出す
どれも「親を否定する」のではなく、「自分を守る」ための行動です。
最後に:本音を出せることは、贅沢でもわがままでもない
誰かに見られていることで“良い子”を演じてしまうこと、誰にでもあります。
でも、あなたの本音は、演技で誤魔化すべきものではありません。
本音があるから心が軽くなり、本音があるから人とのつながりも深まっていくのです。
SNSの中で、本音を出せる場所を持てるように。
そして、親との関係にも少しずつ“ちょうどいい距離感”が育っていくように。
そのための一歩を、焦らず、ゆっくり。あなたのペースで踏み出してみてください。