SNSで投稿ボタンを押す前、
- この言葉で誰かを傷つけないか
- 誤解されないか
- 何か不快に思う人はいないだろうか
そんなふうに、文章を何度も読み返してしまうことはありませんか?
投稿してからも、気になって再び読み返しては、消してしまう。あるいは、そもそも投稿をやめてしまう。
このような心の動きに苦しさを感じながらも、「でもやっぱり、相手を思いやるのは大切なことだし」と自分を責めることもできずにいる人は少なくありません。
この記事では、そんな繊細な心の動きにやさしく寄り添いながら、その背景にある心理を丁寧に見つめていきます。
そして、自分のやさしさを否定せずに、少しでも楽にSNSと向き合えるヒントを探していきましょう。
なぜ「誰かを傷つけないか」が気になってしまうのか?
人を傷つけたくないという“やさしさ”
大前提として「誰かを傷つけたくない」という気持ちは、とてもすばらしいものです。
この感覚があるから、私たちは人と深くつながり信頼関係を築いていくことができます。
このような思いやりのある人は、相手の立場を自然と想像できる、非常に優れた共感性の持ち主です。
けれど、共感性が高いからこそ、“見えない誰か”にまで心を配りすぎて、自分の言葉を封じてしまうこともあるのです。
「過去の経験」が影響していることも
たとえば、以前に何気なく言ったことが誰かを傷つけてしまった経験がある場合、あるいは、逆に自分が誰かの言葉に傷ついた経験がある場合、その記憶が強く心に残っていることがあります。
脳は「同じことが二度と起こらないようにしよう」と学習します。
その結果、投稿前のチェックが何度も繰り返されるようになっていくのです。
SNSという「見えない不特定多数」がつくる不安
SNSには、リアルな人間関係とは違う独特の性質があります。
それは「誰が見ているか分からない」ということ。
友人や知人だけでなく、面識のない他人にも見られている可能性があり、どう受け取られるかの予測が非常に難しい。
だからこそ、「あの人はこれを読んでどう思うだろう?」という不安が無限に広がってしまうのです。
何度も見直してしまう自分を責めないで
- 投稿前に何度も見直してしまう自分が面倒くさい
- もっと気楽に投稿できたらいいのに…
そんなふうに感じている人も多いと思います。
けれどそれは、あなたの心がとても繊細で、やさしさに満ちているからこそ。
今は、慎重であることが、あなたにとって安全で安心な手段なのです。
この“慎重さ”は、弱さではなく「強さ」としての賢明な防衛反応です。
心をすり減らさずに投稿するためのヒント
「一度下書きにする」習慣をつける
投稿したい文章が思いついたら、いきなりSNSに打ち込むのではなく、まずはスマホのメモや下書きに保存しましょう。
そして、その場ですぐに投稿せず、数時間〜1日寝かせてみるのです。
落ち着いてからもう一度読むことで、「誰かを傷つけるかもしれない」という不安と少し距離が取れるようになります。
急がないこと。それだけで、心はかなり楽になります。
「読者をしぼる」安心感を持つ
不特定多数が見る場では、どうしても自分の言葉を広げるのが怖くなります。
そんなときは、公開範囲を限定するのも一つの方法です。
鍵アカウントにしたり、親しい人だけが見られる設定にしたり、あるいはクローズドなコミュニティでシェアするのもいいでしょう。
「自分のことを理解してくれている人だけが見てくれる」と思える環境なら、不安は自然とやわらいでいきます。
「一人ひとりの受け取り方はコントロールできない」と知る
どれだけ配慮しても、どれだけ優しく書いても、人の受け取り方はそれぞれです。
まったく同じ投稿を読んでも、「ほっとした」と感じる人もいれば、「ひどい」と感じる人もいます。
つまり、相手の反応は、投稿者であるあなたがすべて責任を負えるものではないのです。
これは冷たさではなく、現実の話です。
「相手の反応は相手のもの」と一線を引くことで、心を守ることができます。
本音でつながることの大切さ
あまりに慎重になりすぎて、何も言えなくなってしまうと、自分の本音を押し込めてしまうようになります。
そして、自分自身を否定する感覚がじわじわと強くなっていくことも。
自分を偽った言葉ばかりを発信していると、どこか空虚さを感じるものです。
もちろん無理に本音を出す必要はありません。けれど、ほんの少しでも、自分の気持ちに正直になれる瞬間があると、心はぐっと軽くなります。
まずは、信頼できる誰かとの間で試してみてもいいかもしれません。
まとめ 〜あなたのやさしさは、あなた自身にも向けていい〜
- 「誰かを傷つけないか」を気にするのは、やさしさと共感性の証
- その背景には、過去の経験やSNS特有の不安がある
- 自分の気持ちを守る方法を持ちながら、少しずつ本音に近づいていくことができる
- 言葉を選ぶことも、発信を控えることも、あなたの自由
- 自分の中にあるやさしさを、自分自身にも向けてあげてほしい
言葉を大切にするあなたは、きっと人の心にも深く寄り添える人。
そのやさしさは、何よりの強みです。
どうか、そのやさしさで、あなた自身の心も包み込んであげてください。